大阪はぐれ旅・その2 普段着の町へ行く

エレカシさんのライブを観て、友人達と飲み会の後、ホテルに戻ってお風呂に入って横になると、すぐに寝てしまいました。

まさに、空腹は最大の調味料、肉体疲労は最大の睡眠薬

しかしながら、予定していた時刻には起きられず、1時間ほど遅れてホテルを出発。3連休明けの通勤ラッシュのなか大阪環状線に乗ります。

そして最初の目的地・新今宮へ到着。ここで南海に乗り換え、大阪周遊パスの南海拡大版を買いました。

そのまま南海には乗り換えず、新今宮駅を出て阪堺電車の南霞町駅へ向かいます。

新今宮駅の南口を出ると、どーんと目の前にあったのはあいりん労働公共職業安定所、大阪社会医療センター付属病院の建物。そう、ここは1990年に西成暴動の起きたあの、あいりん地区だったのです。

新今宮と言うからにはあの今宮戎神社の辺りなんだろうぐらいには思っていたのですが、あいりん地区のある場所だとは知りませんでした。

通りには簡易宿泊所生活保護を申請するための手助けをする施設などが並び、曇り空の故か、町全体がグレーに見えました。

程なくして、南霞町駅へ到着。


この阪堺電車は大阪唯一の路面電車です。恵美須町浜寺駅前阪堺線の他、天王寺駅前〜住吉公園の上町線が通っています。

南霞町駅の窓口で一日乗車券を購入し、あんまり後先考えずにとりあえず我孫子道方面に向かいます。チンチンという小気味よいベルと共にゆったりと大阪の町を南下していきました。


我孫子道にある車庫。線路がいっぱいあるって素敵!

我孫子道からまた、恵美須町方面に折り返しました。

路面電車の魅力は、車道と併走する併用区間なのですが、都電や江ノ電に比べると結構多いなぁと思いました。すぐそばに車が走ってて、少し危なっかしくて、交差点で止まったりして、ゆったりと進むのが何とも言えない魅力なのです。

阪堺線の沿線には住吉大社があったのですが、十日戎が終わって静かな雰囲気だったのが印象的。


恵美須町からまた我孫子道方面に折り返し、住吉駅上町線に乗り換えるため下車します。

この辺りから雨足が強めになってきました。

隣駅の住吉公園まで乗って、今度は天王寺方面に折り返します。


住吉公園では、日中からおじさん達が集まってまったりしゃべっているような、そんな普段着の気怠い光景があり、なんか良いなぁと思いました。

住吉公園から天王寺駅前まで乗ると、今度は浜寺駅前との直通電車に乗って、阪堺線全線を完乗を目指します。本来の阪堺線恵美須町浜寺駅前なのですが、昨年から上町線天王寺駅前から住吉で阪堺線浜寺駅前に乗り入れるのがメインの運用になったそうです。

私が阪堺電車で一番面白かったなぁと思うのは、特に我孫子道から先の区間で、鉄橋で川を渡ったり、道路の真ん真ん中に軌道が通っていたり、古い町屋が残っていたり。時間と疲労さえなければじっくり乗り降りしたかったです。

そうこうしているうちに、終点の浜寺駅前に到着。


阪堺電気軌道はこれで全線完乗となりました。今度は是非、あれこれ乗り降りしながら旅してみたいものです。

浜寺駅前を出るとすぐ近くの南海電車浜寺公園駅へ。



浜寺公園駅でも思ったのですが、南海電車の駅って大正時代の洋館のような、細部にモダンな彫刻が施してあっておしゃれだな〜と思います。

浜寺公園駅からは難波に行き、念願の551蓬莱でご飯を。

551うまい!豚まんだけじゃなく他のも旨い!そして安い!あたしは王将よりも好きだー!

その後は難波駅をぶらぶらしつつ、特急ラピートに乗るため専用乗り場へ。

まだ入線してないのにワクワクします。



そしていよいよ、ラピート様が!!




今回は奮発してスーパーシートを取ってみました。

あー、かっこいい。この匂い立つ気品、すばらしい。30数分しか乗れないのが非常にもったいない。

シートの豪華さを満喫している内に、あっという間に関西空港へ到着。良い電車なんですが、日中というせいなのか、関空の利用率の低さ故か、乗客が少なめだったのがちょっと気になりました。なにわ筋線が具体化して本当に開業したら、少しは状況も変わるのでしょうか...


泣く泣くラピート様とお別れして、空港へ。

利用率がいまいち〜と言われている関空ですが、思ったより人は多く感じました。

空港では551蓬莱の豚まんと一口餃子点天を自宅用の土産に買い、他にもお土産を買って搭乗口へ。

そして次に待ち受けていたのはこの漆黒の機体、スターフライヤー様!


あー、世の中の飛行機の半分ぐらいスターフライヤー様になればいいのに。どうしてあんな端っこに追いやられてしまうのか。お姉さんは悔しいぞっ。搭乗率も高かったのに。

そんなこんなで飛行機に乗り込み、悪天候の割にはそんなに揺れもないまま、羽田に到着。そこから程なく自宅に帰って、旅は終わりとなりました。

今回は駆け足の旅だったので消化不良の面もありましたが、やはり大阪の鉄道のおもしろさは私鉄にこそあるとつくづく思います。

南海や阪堺はその点で言うと、まさに下町のおっちゃんやおばちゃん。新しい中にも、人情と懐かしさを忘れない、そんな姿が電車にも沿線にも現れているような気がしました。
(終)