産科〜小児科の現状を知る勉強会に参加してみる・産科編

私がよく読んでいるブログの一つに、産婦人科医・Bermuda先生のブログがあります。
毒舌ドクターBermudaの三角形な気持ち
このブログで、えxぺさんという勉強会のサークル(でいいのかなぁ)がBermuda先生(以下バミュ先生)と国立成育医療研究センター原田正平先生の講演会をやると聞いたので行ってきました。

場所は東京ミッドタウン。ミッドタウンタワー21階にあるシスコシステムズさんの会議室が会場です。

六本木通りは外国人とサラリーマンとOLとキャバ嬢と遊び人がわんさか。もっとおしゃれしなくてはと反省しきり。

勉強会の告知板。思いっきり映りこんでます...その上、入場ゲートでエラーになり止められました...orz

縦長の会議室には長机と椅子が3×3位に並んでいて、参加者は20人〜30人程度いらしただろうか。

窓側に大きなスクリーンが4つ。このスクリーンは発表用のスライド上映の他、この勉強会用に付けられたtwitterハッシュタグ#expemedに投稿した人のつぶやきが流れたり、勉強会をUSTREAM中継(録画はしていなかったらしい。残念。)していたので、それを流したりと大活躍しておりました。

参加者には会議室の無線LANやパソコン電源も解放されていたので、参加者の中にはパソコンを持ち込んで思い思いにつぶやいたり、iPhoneを持っている人はそこでつぶやいたりもしてたみたいです。文明ってすごいわ。(twitteriPhoneも持ってないっす...)

開始ギリギリに来た私は入口から一番遠い奥のブロック、最前列が空いていたのでそこに座っていたのですけど、私の隣がバミュ先生だったのはビビった。イケメンすぐるwww

大人になったフジファブリック・志村みたいな雰囲気で、本当にドキドキしました。なんせ私好みの「知的・物静か・細身・声低め」ですもの。さらに黒いセルフレームのメガネを掛けていたら、真剣に離婚を考えたに違いないw

そして、バミュ先生の隣は原田正平先生で、もう絵に描いたような温厚な先生。バミュ先生と穏やかに世間話をする様はジェダイマスターの様な風格でした。そしてお話が好きそうw

えxぺのなかのひと。こと、yasuyukimaさんの仕切りで勉強会が開始。

最初の発表はバミュ先生。先生のお話は、事前に募集した質問の幾つかに答える形式でした。

以下メモしたことをつらつらと。もしかしたら、聞き間違い・認識違いがあるかもしれませんがご容赦ください。

  • 出産一時金の直接支払に伴う産科医院の廃業について

飛び込み出産の分娩費踏み倒しを防止するためにスタートした直接支払制度だが、保険組合等から分娩施設に出産一時金が支払われるまでにタイムラグが生じるため、その間の運転資金が必要になるが、産婦人科医が高齢な施設も多く、銀行から融資を受けられないこともあり、施設の経営が悪化している。今は猶予期間があるけれど...産科医は体力がいるので常勤の医師だけで施設の運営をするのが難しく、バミュ先生のような非常勤の医師が夜勤に入って貰わないと難しい。

  • 産科医院の選び方について

助産院については、院内助産院ならアリだが、それ以外は大きな病院であっても急変に対応出来ないことがあるので勧めない。病院では母親よりも子どもの安全優先になるので母親のケアまで手が回らない。私らしいお産を求めると家庭的なことを売りにする助産院に行くのかも。しかしながら、そもそも選べる状況にない。水中出産などの無理な出産は勧めない。結局のところ運。

  • 自然分娩について

自然に生まれる人もいるなら自然に死ぬ人もいるということ。現在は1000人の分娩で(たぶん新生児が)1〜2人亡くなるが、昭和10年では10人、明治時代では70人だった。これは産科医や小児科医が手を出した結果である。

  • 助産師と産科医の連携について

現場としてはあまり実感はない。昔の分娩は医者が出てこず、助産師が殆どやった。お産に時間は関係ないが常勤の先生は日中に手術等があるので夜中は休みたい。けれど、分娩が正常分娩だったかどうかは結果なので、分娩時には必ず医師が呼ばれる。故に常勤医が疲弊。

中学生ぐらいからやった方が良い。小学生でも妊娠する子はいる。(ちなみに相手は同い年だったらしい...)しかし子どもは「大それた事をやってしまった」と反省する。大人こそ性教育が必要。子どもは大人の真似をする。子宮頸がんの予防と合わせてやってみればいいのでは?モラルを押しつけるだけでは良くない。自分を守るための提案に持って行くべき。

  • 妊娠したときに男性が女性に配慮する点について

(医者にとって)男性の立ち会い出産は邪魔!出来たら妊婦検診に付いてきて欲しい。来て挨拶するだけでいい。コミュニケーションが取れているとトラブルが起きたときに説明の理解度が違う。出来るだけ顔を合わせることが重要。(外国人は大抵男女一緒に妊婦検診へ来るらしい)

最初は志望者が多いが、現実を知って辞める。もちろん、逆パターンもあり。この状況の中で産科を選ぶ人は本気。産婦人科は肉体的に辛く、研修中はやりながら覚えるので効率が悪い。

ちなみに、満月の夜前後と台風の後に分娩が多いとか。

もし飛び込み出産になった場合、時間があれば大きい病院に転送、時間がなければその場で出産になる。とっても怖いこと。外出先で運ばれることがある。ディズニーランドに遊びに行って急変し、運ばれる妊婦もいた。そのような人は死産や早産になったことも。

ちなみに、付き添ってきたディズニーランドの看護師さんはかわいかったらしいw「ディズニーランドに病院作ればいいのに。」と先生はおっしゃっていました。それだけ多いんでしょう...

ひとまず産科の話はこれで終わり。次のエントリで小児科編を書く予定。