耳障りの良い言葉にだまされないために。


はてブでここ2日ほど話題の件。

「妊娠する前から妊娠・出産の正しい知識、産科医療の現状について知ることが大事だなぁ」と改めて思った出来事です。

今の時代は妊娠してから初めて妊娠・出産の知識や産科医療の現状を知ることの方が多いし、妊娠・出産を「女性の自己実現の場」とするような風潮も出てきてるし、妊娠するといろんな面で自分の生活も変わるし、うれしさで気分が高揚する時もあれば逆に不安で押しつぶされそうになったりするし、自分のことだけじゃなく子どものことも考えないといけないし、さらには身近に詳しい人もいなかったりすれば、妊婦は精神的にいっぱいいっぱいになっても仕方ないと思います。

そんないっぱいいっぱいな精神状態の中で、耳障りの良い「自然なお産」「私らしいお産」「アットホームなお産」「自らの免疫力を高めて」等々の文言を見聞きし、さらには専門職である医療者からニセ科学ホメオパシー等)を勧められたら、絶対的に医療知識が乏しい側である妊婦の中にはニセ科学と分からずにそっちに走る人もいるよなぁと、妊婦だけを「自己責任」と安易に責められないと思うのです。

しかしながら、新生児や妊婦自身の命という取り返しの付かないものを、標準医療とかけ離れたニセ科学によって失うのは代償があまりにも大きすぎます。

だからこそ、妊娠する前の段階から、男女とも妊娠・出産の正しい知識、産科医療の現状を知ることはとても大事だと、声を大にして言いたいです。

私も以前にこのブログで書いた「産科〜小児科の現状を知る勉強会」や産科医による講演会に参加したり、産科医の先生が書いた本や妊娠・出産の本を読んでいなかったら、自然という言葉にだまされてニセ科学に走ったかも知れません。明日は我が身です。

ちなみに、私のおすすめは産科医であるLUPO先生とbermuda先生のブログです。文章も面白いのでぜひ。
LUPO先生のブログ
bermuda先生のブログ

LUPO先生が書いたこの本もおすすめ。
[rakuten:book:13445751:detail]
自然ならばすべてやさしくて安全で善なのか?現代医療や文明や科学はすべて冷たくて危険で悪なのか?分からないから耳障りの良い方へ走ってしまうのだと思います。

物事は耳障りの良いことと悪いことが常に伴います。

自らを守るのは正しい知識を得ること。地味だし、面倒な作業ですけれどこれが一番大きいんだなぁと、つくづく感じました。